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クロロプレゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムが不足。Singapore出張 [材料相場、需給]

この半年、クロロプレンゴムが足りない。シリコーンゴムが足りない。フッ素ゴムが足りないとよく言われます。
クロロプレンは、世界で30万トン前後の生産能力があり、現在国内では3社、デンカ、東ソー、昭和電工で生産されており、それぞれの生産能力は、デンカは年10万トン、東ソーが年3.4万トン、昭和電工が年2.3万トンと公表されています。どの会社もフル運転中です。国内のゴム成形会社では、注文した量がなんとか入手できていますので、それほど強い危機感はないかもしれませんが、世界的にみると、アジア、欧米では、欲しい量が入手できないという状況が発生しています。世界のクロロプレンゴムの生産能力は公称年32万トンで実際の現在の生産可能能力は年28万トン程度でしょう。日本3社のこの中で48%を占め、デンカの米国工場の生産能力を加算するとその割合は62%にもなります。
 どうして不足したのでしょう。そもそも塩素が入っているクロロプレンゴムは、自動車産業では脱塩素化でだんだんなくなるといわれ、生産設備を廃棄する会社が相次ぎました。米国のDuPont社も2つあったクロロプレンゴム重合工場の1つを停止し、その生産ラインを廃棄しました。EUではかつてフランスでPOLIMERI(ENICHEM)(今のVERSALIS)社がクロロプレンゴムを生産していましたが、2012年に停止、廃棄しました。中国ではかつて3つ会社がクロロプレンゴムを生産していましたが、このうち1社は製造ラインの爆発事故で停止し、その後廃棄しました。これらにより年12.5万トン分の生産能力が廃棄されました。しかし需要はみんなが考えていたほど減りませんでした。確かに自動車関係では、ウェザーストリップの原料がクロロプレンゴムからEPDMに代わる(ちょっと古すぎる話ですが)、CVJブーツ、ラック&ピニオン部品がエラストマーに代わると言われてつつありますが、等速ジョイントブーツではまだまだクロロプレンが使われている車種もあります。たしかにこれらのその分はそれなりに需要がへりましたが、一方自動車全体の世界の生産量の急激な増加、建機、鉱山用ゴム製品で需要拡大、さらに接着剤用途でクロロプレンゴムの需要が増えました。ある意味では物性、特性のバランスがとれた合成ゴムなのです。よって生産能力が削減されたにも関わらず、需要がそれほどヘリませんでした。
 2017年には、中国の環境規制強化で、CHANGZHOU CHEMICAL社が政府の査察で突然工場閉鎖、移転命令を受け、年2.8万トンの供給がなくなり、これをきっかけに世界的に不足になりました。同社は別の場所山西省に新工場を建設しすでに完成し、今試運転中です。一方ARLANXIO社は2019年3月完成で年1.3万トン増設を決め、さらにデンカも国内か米国での増設を検討中と聞いています。クロロプレンゴムの重合は腐食しやすい塩素を使いますので生産施設の建設費がどうしても高くなります。9年前にデンカは100億円以上かけて年2.5万トンの生産増設をしました。SBR製造ラインでは、新設では年10万トンクラスの工場が250億円ぐらいかかると言われますので、それに比べるとクロロプレンゴムの生産ラインはもっと高価です。さらに米国では、そもそも建設費が高く、さらに環境規制対応もあり、工場建設費がもっと高くなります。よってすぐにデンカも増設を決定はできないでしょう。
 中国の新工場が年末までには商業生産するでしょうから、中国国内の不足は解消されるでしょうが、アジア、EU、インドでの不足がなくなるのは2019年4月以降のARLANXEOの増設以降でしょう。しかし、この増設分は、世界の需要の伸びですぐに埋まると思われますので、最終的にはデンカが日本か、米国かEUで大規模に増設するまで、タイト感がつづくでしょう。それは3年先以降でしょう。価格も海外では$1/kgは上昇しました。国内でもブタジエン分の値上げが進んでいますが、これでも海外相場に比べると値上げ幅は海外の50%以下です。
このあたりは 加藤事務所加藤がゴム報知新聞NEXT https://gomuhouchi.com/serialization/14316/ に
解説しています。(2018年6月11日連載)。
シリコーンゴムの不足は、需要がのびてきましたが、大手シリコーンゴムメーカーが増設せず、さらに中国シリコーンゴムメーカーが中国環境規制で生産を減らしいるので、はっと気が付いたらシリコーンガム、シリコーンオイル、シリコーンゴム(固形)ともすべてで供給量と需要が拮抗してきて、納期が長くなりました。日本ではシリコーンガム(ゴムの原料)はあるが、ゴム練り(ガムとシリカを混練り)の能力が足りなくなった、として、
シリコーンゴムでの納期が長くなっています(というか、自動車生産ラインを止めないように選別出荷スケジュール調整をしています)。これもどこかのメーカー(世界の4大メーカー、信越化学、DOWCORNING,WACHER,MOMENTIVE)が増設をしないと解決できません。といっても、中国の環境規制がいつ解決されるかでシナリオが変わってきますので、どの会社も迷っているはずです。価格も急上昇です。国内価格も20%以上上がりました。某社の値上げはこの半年で、50%の値上げ交渉中とも。
フッ素ゴムを同様です。世界3大メーカー(CHEMOURS, ダイキン、SOLVEY,)が増設しないと間に合いません。中国の環境規制で、原料が不足したのがきっかけで、さらにどこも5年前の中国工場増設以降、さらなる増設を検討してきませんでした。今回の中国環境規制もいつまでつづくかが読めず、困っています。SOLVEYはまだ原料自社生産分があるのでまだちょっと楽ですが。ここにきて大阪地震でダイキンのフッ素ゴム原料工場が一時的に止まりこれもユーザーを慌てさせました。どこかが増設しないと不足が続きます。
もちろん需要の伸びがメーカーの予想をうわまわっていたのですが、中国の環境規制とその解除時期がわからないので、メーカーも増設を決められず、そのうちに本当に足りなくなりました。価格も20%以上も上がりっています。もちろん海外も世界で値上がりです。足りない時に市況が本当にあがります。値上げOKしないとフッ素ゴムが入手できません。
 今週はシンガポールの24時間だけ出張し、日本のタイヤメーカーシンガポール事務所(天然ゴム購買部)3社と面談してきました。天然ゴムの世界もサステナビリティ、トレースアブルな天然ゴム、サプライチェーンがしっかり確認できる天然ゴムが意識されるようになりました。ベトナムVRGJAPANの天然ゴムもその対応を始めます。その意味で世界で初めてのプレミアム天然ゴムを検討中です。
写真は行きのSCOOT航空、帰りのAIRASIA航空です。2社ともLCCの格安航空会社ですが、そのビジネスクラスはJAL、ANAのエコノミークラスより安く、しかも快適でした。SCOOT航空は最新のB-787機で席に電源があり、衛星経由のWIFIが全区間で使えて、ビジネスマン向けです。乗っている間仕事ができます。台北に寄ったり、バンコクで乗り換えが必要ですが、加藤はそれは気にしません。たしかに日本人はほとんど乗っていなかった。
シンガポールでは、先日米国、北朝鮮の会談があった、セントーサー島の近く(写真のモノレールがセントーサ島行き)や、市内の高層ビル地区に行ったり、24時間だけの滞在でした。
その後金曜日は日本ゴム協会幹事会で山形大学米沢キャンパスに行きましたがその話は次回に。
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バンコックでタイゴム協会とのパーティーに参加、日本ゴム協会関西支部例会で講演 [ご紹介]

6月13日にタイのバンコックでタイゴム協会(Rubber Division、Polymer Society of Thailand) と日本ゴム協会の、両協会連帯協力覚書締結を記念したパーティーが開かれました。加藤も日本ゴム協会高田会長に同行して1泊でバンコックに行き、パーティーに参加しました。下の写真の通り、バンコックの中心部にある名門クラブ RoyalBangkokSportClubのレストランで開催され、このクラブにはゴルフ場、馬場もあります。それもバンコックの中心部に。日本の方もブリヂストン、住友ゴム工業のタイの社長の方、サイアムフコク社長、その他多数のタイ駐在の日本のゴム関係者10名と、 タイのゴム関係者約30名が参加されました。タイゴム協会の会長はゴム練り会社PI Industory社長のDrバンジャさんです。バンジャさんとは久しぶりの再会で、話が盛り上がりました。PI社は今年ベトナムハノイにゴム練り工場をスタートさせます。パーティーの前に、加藤は取引先2社を打ち合わせして、今回バンコック滞在24時間でトンボ帰りでしたがチュラロンコン大学大学のスワブン教授や、BST ELASTOMERS社長、オータニタイヤ副社長、IRPC副社長、その他日系タイヤ会社の方々等知り合いになることができました。
帰国後15日は広島県福山市で日本ゴム協会関西支部、中国ゴム技術研究会共催の6月例会で、2時間ほど「世界各国のゴム事情とゴム関連の最新情報」を講演してきました。
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インド出張 気温44℃ [海外]

今週はインドに2日間出張し、そのあと大阪出張とあちこちに。
当社のインド合弁会社Indo-Japan Polymersは2018年3月期決算は売上約16億円、当期利益も23百万円と大幅な伸びに、ゴムコンパウンド販売も3月は350トンの出荷と、前年比約2倍に。インド経済の好調さを裏づけています。樹脂コンパウンドの新工場も稼働が月25トンまで上がり、年内には月70トン出荷を目指します。今回はこの新工場の日本から融資をしていただいている国際協力銀行(日本の政府系銀行)の幹部の方が工場視察に今回はそのアテンドと、工場で取締役会でした。加藤事務所はこの合弁会社に50%出資しています。次の一年間の事業計画を打ち合わせ。インドでの一日打ち合わせは疲れる。
 インドは今一番熱い季節です。下のスマホの画面のとおり、工場のあるヴァドーダラはこの日気温44度、さすがに暑い。生産現場も押し出し機があり、空調なしですから、暑い。下の写真のとおり、400種以上のカラーマスターバッチや添加剤マスターバッチを製造、黒マスターバッチも販売、TPE,TPUも試作が進んでいます。工場長とインド食の昼食、加藤も右手素手でカレーやナンを食べます。その後おなかを壊して結構つらかった。
工場がある、グジャラート州は禁酒の州です。お酒が売っていません。外人はホテルで3泊すればウイスキー0.5本まで買えますが、部屋の中で飲んでくださいということになります。下の写真はホテルのお酒売り場、鍵がかかっています。外人はパスポートとホテルの証明書を出して、やっとビールが買えます。たしか3泊してビール3本ぐらいまで、それ以上は無理。パスポートにこの3日分は消費したとしてハンコが押されます。
 今回はエアーインド航空で往復しましたが、その中でデリーからアーメダバードへのAI13便で不思議な経験をしました。加藤は成田からエアーインド便でデリーで乗り継ぎましたので、このAI13便は国際線扱いで、到着地アーメダバードでパスポートと提示して入国し、税関検査がありました。しかし同じAI13便には国内線の一般の乗客も乗っています。同じ飛行機に、国内の人と、まだ入国審査前の人が乗っていて、席もバラバラです。隣の人に荷物を渡したら密輸になります。到着空港で、降機してから通路が分かれ、右に行けば入国審査、左に行けばそのまま外に出れれる。たぶん搭乗券に区分が書いてあると思いますが、さすがインドらしい経験でした。
 ブタジエン価格が$1800/MTをピークにやっと下がりだしました。アジアの合成ゴムメーカーはこのブタジエン価格では赤字になってしまうので、生産調整しています。それで需要が減り、またまもなくアジア地区のブタジエン工場の定期修理が続々と終わるので、供給も増えだしますので。
来週は日本ゴム協会高田会長のお供で、タイに出張です。PI Industryのバンジャ社長、BST社長、タイBS社長その他タイのゴム業界要人に会ってきます。
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日本ゴム協会年次総会(90周年記念大会)成功裏に終わる [ご紹介]

今週は2018年5月30日から3日間 埼玉県浦和で日本ゴム協会年次総会(90周年記念大会)が開かれました。参加登録者は410名を超え、過去最高の参加者数で、今年は毎年の参加者より100名以上多いそうです。加藤もこの年次大会の委員をしており、参加された方、関係者のお礼申し上げます。90周年記念大会で、日本化学会副会長、高分子学会会長からも祝辞をいただきました。
論文発表数も今年は多くまた若手ポスター発表も写真のとおり人でいっぱいです。
ドイツゴム研究所のDrGieseの発表も素晴らしく、また特別講演のブリヂストン松田常務、フコク河本次郎社長、日産自動車福井材料技術部長の講演も会場は満員の聴講者で、ゴム技術者として、内容の濃い講演でした。ありがとうございます。
発表後の懇親会では、講演者を含め、いろいろな方とお話できました。写真は加藤と㈱フコクの河本社長、日本ゴム精練工業会会長のTPRノブカワ㈱野田社長の懇親の様子です。
大会では当社もポスター発表をし、また加藤は15分間英語で「世界のゴム練りビジネス」について発表しました。
明日からインドの合弁会社工場に行ってトンボ返り、その翌週もまた海外出張になります。
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